『蛙に学ぶ』

「かえる」についてのさまざまな知見を得て、さらに「かえる」が人間文化とどのように関わっているのか、を調べています



猫の水につかるカエル

『猫の水につかるカエル』
著:川崎 徹
発行:講談社 (2009/10/27)

タイトルにまでしたカエルだが、作中には一部しか出てこない。

プラスティックの弁当箱は、猫の飲み水用としてそこに置いてあった。
(略)
だが、いつの間にかカエル用になっていた。
どこから現れたのか、ある日大小二匹のカエルが水につかっていた。
背中は赤っぽい茶色で、図鑑にあたるとニホンアカガエルとあった。
小判形の弁当箱は二匹が入るとかなり窮屈そうだった。
交互につかればよいものを、いつも一緒に入っていた。
夫婦に違いなかった。
近づいても逃げる素振りはなく、かと言って挨拶するでもなく、無表情につかり、ゲゲッと鳴いた。



ヒキガエルならまだしも、アカガエルが入っていたというのは、考えられないし、逃げないというもの事実ではないかもしれないが、本来使用するべき相手ではないモノが使用している点が、著者の当時の心境の置き換えなのかもしれない。

このエッセイは2本立てで、どちらも猫を中心とした作品。
1本目の作品を本にして出したいために2本目が書き下ろされた、、、という感じの一冊である。

川崎は、以前にも『カエルの宿』(文芸春秋 1986.7)というエッセイを出している。

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