『蛙に学ぶ』

「かえる」についてのさまざまな知見を得て、さらに「かえる」が人間文化とどのように関わっているのか、を調べています



「マクベス」特集(四幕一場編) 大鍋でグツグツっ!

翻訳違いで味わう日本語シリーズ!

ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)の四大悲劇『マクベス』(wiki)に登場するカエルを紹介する。
原作の戯曲では、一幕一場の魔女のセリフから始まり、四幕一場の鍋で秘薬を調合するシーンに登場。

今回は、第四幕 第一場の魔女のセリフを翻訳者ごとに味わってみよう。

まずは原文から。
『原文で読む シェークスピア 四大悲劇全集』
著:ウィリアム・シェークスピア
発行:ゴマブックス株式会社 (2013/8/13)

Act 4
   SCENE 1 A cavern. In the middle, a boiling cauldron.
     Thunder. Enter the three Witches
First Witch
 Thrice the brinded cat hath mew'd.

Second Witch
 Thrice and once the hedge-pig whined.

Third Witch
 Harpier cries 'Tis time, 'tis time.

First Witch
 Round about the cauldron go;
 In the poison'd entrails throw.
 Toad, that under cold stone
 Days and nights has thirty-one
 Swelter'd venom sleeping got,
 Boil thou first i' the charmed pot.

ALL
 Double, double toil and trouble;
 Fire burn, and cauldron bubble.

Second Witch
 Fillet of a fenny snake,
 In the cauldron boil and bake;
 Eye of newt and toe of frog,
 Wool of bat and tongue of dog,
 Adder's fork and blind-worm's sting,
 Lizard's leg and howlet's wing,
 For a charm of powerful trouble,
 Like a hell-broth boil and bubble.


さて、マクベスには計3回「カエル」を表す言葉が登場するのでおさえておこう。(第一幕 第一場はコチラのべージ)
第一幕 第一場は「Paddock」(カエルの古英語、毒性のあるカエルのこと)
第四幕 第一場の1回目は「Toad」(陸をはうカエル、中型で肌が美しくないもの)
第四幕 第一場の2回目は「frog」(飛び跳ねるカエル)
と3回とも同じ単語は使っていない。

第四幕 第一場は、魔女の予言を現実にしようと、王を殺害してしまったマクベス。
不安に押しつぶされながらも、あの予言が本当だったのか、再び魔女に会うシーンの冒頭部分。
魔女たちは、マクベスが来ることをすでに知っており、マクベスが魔女に何を要求するのかも知っている。
その準備にカエルが2回登場する。
2回とも魔女の作る大鍋の具にされているが。。。
 
「シェイクスピア物語」編はコチラ⇒「マクベス」特集(『シェイクスピア物語』編)
「一幕一場の魔女のセリフ」はコチラ⇒「マクベス」特集(一幕一場編) どう訳す?あの名セリフ!!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
下にいくほど翻訳が古い。
訳者の解説やコメントは「マクベス」特集(一幕一場編) どう訳す?あの名セリフ!!に載せたので、ここでは省略する

『マクベス』
訳:吉田秀生
発行:晃洋書房 (2013/07)
「蜥蜴」を二回使っている。(リズムも悪いしやっぱりこの方の翻訳、舞台映えするセリフじゃない)

第四幕 第一場
     雷鳴。三人の魔女登場。中央に大釜。
魔女1
 虎猫が三度鳴いたぞ。

魔女2
 針鼠も三度鳴いたよ。

魔女3
 怪鳥が「そろそろ、そろそろ」と鳴いてるよ。

魔女1
 大釜の回りを回れ。
 腐った内臓、放り込め。
 冷たい石の下に、三十一昼夜、
 眠り続けて、
 毒を出したひき蛙
 魔法の釜で煮えたぎれ。

全員
 苦労に苦しみ、倍の倍。
 火よ燃えろ、釜よたぎれ。

魔女2
 沼に棲む蛇の切り身、
 煮えろ、焼けよ、大釜で。
 イモリの目にのつま先
 蝙蝠(こうもり)の羽に犬の舌、
 蝮(まむし)の舌に蜥蜴(とかげ)の針、
 蜥蜴の脚に梟の羽、 
 災いもたらすまじないに、
 地獄の雑炊、煮えろ、たぎれ。


『新訳 マクベス』
訳:河合祥一郎
発行:角川グループパブリッシング (2009/1/24)

第四幕 第一場
     雷。三人の魔女登場。
魔女1
 三度鳴いたよ、虎猫が。

魔女2
 四度鳴いたよ、針鼠。

魔女3
 時間が来たぞと化け物鳥。

魔女1
 釜のまわりをぐるぐる回り、
 毒の腸(はらわた)、放り込め。
 まずはこれなるヒキガエル
 冷たい石の下に寝て
 ひと月かいた毒の汗、
 魔法の釜で煮込みましょ。

全員
 増やせ、不幸を、ぶつぶつぶつ。
 燃やせ、猛毒、ぐつぐつぐつ。

魔女2
 蛇の切り身を 釜に入れ、
 煮たり焼いたり ぐつぶつぐつ
 の指先 イモリの目
 蝙蝠(こうもり)の羽 犬のベロ
 蝮(まむし)の舌に 蛇の牙
 梟(ふくろう)の羽 蜥蜴(とかげ)の手
 大い不幸のまじないに
 地獄のスープだ、ぐつぶつぐつ。


『マクベス (光文社古典新訳文庫)』
訳:安西徹雄
発行:光文社 (2008/9/9)

第四幕第一場
     洞窟。中央に煮え立つ大釜。
     雷鳴。
     三人の魔女たち、登場。

魔女一
 三度鳴いたぞ、縞毛の猫が。

魔女二
 三度と一度、ハリネズミもな。

魔女三
 鳥女子(とりおなご)めが喚(わめ)きおるわ「今じゃ 今じゃ」と。

魔女一
 大釜めぐって まわれ まわれ
 腐った腸(はらわた) それ放り込め
 毒ヒキガエルが 石の下で
 三十一日 三十一夜 夢うつつ
 肌から沁み出す 脂汗
 魔法のかかった大釜に まず投げ入れろ

魔女たち
 憂さも辛さも 積もれ 重なれ
 焔は燃えろ 釜は煮え立て ドォー ドォー

魔女二
 沼地のヘビの ブツ切り肉も
 煮えろよ 焼けろ 大釜の中
 イモリの目玉に カエルの足指
 コウモリの産毛に 犬のべろ
 毒ヘビの裂けた舌先に
 目なしのヘビの毒の牙
 トカゲの足に フクロウの羽根
 みな禍事(まがごと)の 呪(まじな)いの種子(たね)
 すべて合わせて 地獄の毒粥


『マクベス (対訳・注解 研究社シェイクスピア選集7)』
訳:大場建治(Wiki)
発行:研究社 (2004/09)

[4.1]
     雷鳴。
     魔女三人登場。
魔女1
 三度鳴いたぞ、虎猫がよう。

魔女2
 三度に、も一度は、針ねすみじゃ。

魔女3
 化けもの鳥がギャーとわめいた、「早う、早う」。

魔女1
 大釜の周りをぐるぐる回ろうよのう。
 毒のはらわたを放り込めやい。
 蝦蟇(がま)もいるぞよ、冷っこい石の下で
 三十と一の昼と夜、
 毒の寝汗を滴らせてたのが。
 こいつがます毒の釜の釜茹でだでのう。

魔女一同
 ふえろ、ふくれろ、悩みに苦しみ、
 燃えろ火の釜、ぐつぐつ煮え立て。

魔女2
 泥沼のぬるぬる蛇の切り身も
 釜茹でで焼けこげだよ。
 いもりの目の玉、の指、
 こうもりの和毛(にこげ)、犬のべろ、
 まむしの舌先、蛇とかげの牙、
 とかげの脚、ふくろうの羽根。
 ふえろ、ふくれろ、呪いの苦しみ、
 地獄の雑炊、ぐつぐつ煮え立て。


『シェイクスピア全集 (3) マクベス』
訳:松岡和子(Wiki)
発行:筑摩書房 (1996/12)

第四幕
   第一場 暗い洞窟
     中央に大釜、中のものが煮えたぎっている。雷鳴。三人の魔女登場。

魔女1
 トラ猫ニャアと三度鳴く。

魔女2
 三度と一度はハリネズミ。

魔女3
 あたしのお化け鳥が「早く、早く」とせっついてる。

魔女1
 釜の回りをぐるぐる回り、
 毒の臓物放りこめ―
 まず手始めはヒキガエル
 冷たい石の重みの下で
 三十一日三十一夜
 眠って毒の汁流す、
 魔法の釜で煮てやろう。

魔女たち
 二倍だ二倍、苦労と苦悩、
 ごうごう燃えろ、ぐつぐつ煮えろ。

魔女2
 お次は蛇の切り身だよ、
 煮えろよ焼けろ、釜の中、
 イモリの目玉、カエルの指、
 コウモリの毛に犬のベロ、
 マムシの舌、ヘビトカゲの牙、
 トカゲの脚にフクロウの羽、
 苦労と苦悩の呪いを込めて
 地獄の雑炊煮えたぎれ。


『マクベス』
訳:木下順二(Wiki)
発行:講談社 (1988/5/23)

18 暗い洞窟 中央に煮えたつ大釜 <第四幕第一場>
     雷鳴。三人の魔女登場。

魔女1
 三度啼いたぞ虎斑(とらふ)の猫が。

魔女2
 三度と一度、針鼠が。

魔女3
 化けもの鳥が「急げ急げ」だと。

魔女1
 釜の回りを、ぐるぐる回ろう
 毒を入れた臓物、投げこもう
 ひき蛙、お前は冷たい石の下で、
 三十一日、夜も昼も、
 毒汁を流して眠ったままを捕えたぞ。
 まず真先に、魔法の釜へ投げこむぞ。

魔女たち
 倍のまた倍、苦しめもがけ、
 燃えたて、大釜、煮えたぎれ。

魔女2
 沼地の蛇の肉の切れ、
 大釜の中で煮えたて、焼けれ。
 いもりの眼玉に、の爪先、
 こうもりの毛に犬のべろに、
 まむしの舌や、とかげの針よ、
 やもりの脚よ、ふくろうの翼と、
 地獄の雑炊、煮えたぎれ。
 恐ろしいまじない、沸きあがれ。


『マクベス (白水Uブックス 29)』
訳:小田島雄志
発行:白水社 (1983/10/1)

第四幕
             第一場 洞窟、中央に煮えたぎる大釜

     雷鳴。三人の魔女登場。

魔女1
 三度鳴いたぞ、ブチ猫が。

魔女2
 三度と一度は、ハリネズミ。

魔女3
 「いまだ、いまだ」と化けもの鳥。

魔女1
 釜のまわりをまわろうよ
 腐った臓物ほううりこめ、
 まずは冷たい石の下、
 三十一夜を眠りつつ、
 毒の汗かくヒキガエル
 ぐらぐら煮えろ、釜のなか。

三人
 苦労も苦悩も火にくべろ、
 燃えろよ燃えろ、煮えたぎれ。

魔女2
 お次は蛇のブツ切りだ、
 ぐらぐら煮えろ、釜のなか、
 カエルの指先、イモリの目、
 コウモリの羽根、犬のべろ、
 マムシの舌先、、蛇の牙、
 フクロウの羽根、トカゲの手、
 苦労も苦悩のまじないに、
 地獄の雑炊煮えたぎれ。


『マクベス (旺文社文庫)』
訳:大山俊一(Wiki)
発行:旺文社 (1973/9)

第四幕
             第一場  暗い洞穴
     まん中に煮えたぎる大釜。
     雷鳴。三人の魔女登場。

第一の魔女
 三度、三度、黒茶のしま猫が鳴いた。

第二の魔女
 三度と一度はりねずみが泣いた。

第三の魔女
 ハーピァーが声をたてた。―時間だ、時間だ。

第一の魔女
 ぐるぐる回れ、大釜のまわり。
 毒の材料を投げ込もう。―
 冷たい石の下、三十と一の夜と昼、
 たらりたらりと毒の汗流し、
 眠ってるところえをつかまったひきがえる
 魔法の鍋で、まずにてやろう。

全部の魔女
 骨折り苦労は倍の倍。
 釜の火燃えろ、釜は煮え立て。

第二の魔女
 沼地の蛇の肉一切れ、
 煮えろ、焼けろ、釜の中。
 いもりの目にかえるの指。
 こうもりの毛に犬の舌。
 まむしの毒牙にへびとかげの針。
 とかげの脚にずくの羽。
 苦労を起こす強いまじないとなれ、
 地獄の吸い物よろしく煮えろ、煮え立て。


『マクベス』
訳:福田恒存(Wiki)
発行:新潮社; 改版 (1969/9/2)

18 〔第四幕 第一場〕
     洞窟
     中央に穴が開き、火焔が立ちのぼってゐる。その上に煮えたぎる大釜。
     雷鳴とともに、火焔のなかから三人の魔女が一人づつ現れる。

第一の魔女
 三度、鳴いたぞ、虎猫が。

第二の魔女
 わしの針鼠は、これで、三度と一度さ。

第三の魔女
 化け鳥め、うるさくせっつきをるわ、「早く、早く」とな。

第一の魔女
 釜のまはりをぐるぐる廻り、腐ったはらわた放りこめ。(三人は釜の周囲を左の方へめぐりはじめる) それ、ひき蛙、冷たい石の下に押しつぶされて、三十一日三十一夜、眠りつづけて、毒の汗ながす、お前が、最初に、魔法の釜に、煮えろ、煮えろ!

三人
 この世の憂さも辛さも、倍ましだぞ、それ、焔はごうごう、釜はぐらぐら。(三人は釜を掻きまはす)

第二の魔女
 おつぎは沼蛇のぶつ切りだ、煮えろ、焼けろ。ゐもりの眼玉に、の指さき、蝙蝠の羽に犬のべろ、蝮の舌に盲蛇の牙、とかげの脚に梟の翼、このまじなひで、恐ろしい禍ひが湧き起る、さあ、地獄の雑炊、ぶつぶつ煮えろ、ぐらぐら煮えろ。


『マクベス』
訳:三神勲(Wiki)
発行:角川書店 (1968/10/19), 改版初版(1996/12/25)

第四幕
         第一場  洞窟
     (その中央に火炎の昇る大きな穴が地面に口を開き、その上に煮えたぎる大釜がかかっている。雷鳴とともに三人の魔女が一人ずつ炎の中から現われる)

魔女一
 とら(猫)めが三度鳴いた。

魔女二
 はり鼠めが三度と一度鳴いた。

魔女三
 化け鳥めが呼んでる、「早く、早く」って。

魔女一
 釜のまわりをぐるぐるまわれ、
 腐ったはらわた、それ、ほうりこめ、

     (釜の周囲を左に回りながら)

三人
 冷たい石の下にもぐり、
 三十一夜眠りつづけて、
 毒の油をひり出す蟇(がま)め、
 魔法の釜で、まず煮えろ。
 ふえろ、ふくれろ、苦労や苦しみ、
 燃えろ穴の火、煮えろ大釜。

     (釜の中を箒の柄〔または、つえ〕でかきまわす)

魔女二
 沼地の蛇のぶった切り、
 煮えろ、こげつけ、大釜で。
 いもりの目玉、のかかと、
 こうもりの羽、むく犬の舌、
 まむしの舌とかな蛇の針と、
 とかげの足とふくろうの翼、
 災難をふらすまじないとなれ
 煮えろ、吹き出せ、地獄の雑炊。


『マクベス (研究社新訳注双書―訳注シェイクスピア選集 (907))』
訳:沢村寅二
発行:研究社出版 (1953/4/1)

第四幕
   第一場。洞窟。中央に煮え返る大鍋。
     雷鳴。三人の妖婆登場。

妖婆甲。
 三度、虎斑猫がにやぁといった。

妖婆乙。
 三度と一度、針鼠がひいと鳴いた。

妖婆丙。
 怪鳥が「今だ、今だ」と叫ぶ。

妖婆甲。
 大鍋廻って、ぐるぐる歩け。
 毒ある臓物を中へと投げこめ、
 つめたい岩の陰に潜んで、
 三十一日夜昼(よるひる)眠って、
 溜まった毒汁吐きだすよ、
 煮えろ初めに、魔法の釜で。

一同。
 ぐるぐるぐるぐる、働け苦しめ。
 燃えろ焔よ、泡立て大鍋。

妖婆乙。
 沼で太った蛇の切り身。
 煮えろ焦げろ、大鍋の中で。
 いもりの眼玉に、の足指、
 蝙蝠のむく毛に、犬の舌、
 蝮の裂け舌、盲蛇の針、
 とかげの脚に、梟の翼、
 大災難を生みだすまじない、
 地獄の雑炊だ、ふつふつ煮えろ。


『マクベス(岩波文庫)』
訳:野上豊一郎(Wiki)
発行:岩波書店 (1958), 初版(1938)

第四幕
             第一場―暗い洞穴。中ほどに煮え沸る大釜
     
     かみなり。三人の妖女登場。

第一の妖女
 三べん鳴いたぞ、ぶち猫が。

第二の妖女
 三べんと一ぺん、はりねずみ。

第三の妖女
 ハーピヤも鳴いている。-もう、よし。もう、よし。

第一の妖女
 釜の廻を輪にかいて、
 毒の臓物投げ込もう。
 冷たい石の下にいて、
 三十一日、夜昼(よるひる)を、
 眠って流した毒の蟇(ひき)
 お前を初めに煮てやろう。

三人の妖女
 骨折苦労を倍にして、
 釜も沸き立て、火も燃えろ。

第二の妖女
 田沼の蛇のヒレ肉も、
 煮えたり、焼けたり、釜の中、
 の指に、蠑螈(いもり)の目、
 蝙蝠の毛、犬の舌、
 蝮蛇(まむし)の叉舌、、盲蛇(むし)の針、
 蜥蜴の足に、角鴟(ずく)の羽、
 ひどい難儀のまじないに、
 地獄の吸物みたいに煮えろ。



訳:坪内逍遥(Wiki)
初版:『新修シェークスピヤ全集第二九卷』(1935/2/5)
坪内は、カエルを全部「ヒキガエル」として扱っている。

第四幕
   第一場 洞窟。中央に煮え立ってゐる釜。
     雷鳴。三人の例の妖巫《えうふ》が出る。
妖の一
 虎斑猫《とらふねこ》が三度鳴いたよ。

妖の二
 蝟《はりねずみ》めが三度と一度鳴いたよ。

妖の三
 妖鷲《ハーピヤー》が呼んでゐる、もう恰好《いゝ》よッて。

妖の一 (聲に調子を附けて)
 釜の周邊《まはり》をぐる~廻り、
 抛《な》げ込む~、毒のある臟腑《わた》を。
 蟇《ひき》よ~、冷たい石の、其下に、
 三十一日、三十一夜、
 眠《ね》込んで、汗して、毒を泌《ひ》る蟇《ひき》よ、
 煮えろ~、呪釜《まじなひがま》で、先づ煮えろ、

一同 (ぐる~釜の周邊を廻りながら)
 辛苦も勞苦も、倍増し、倍増し。
 くわつくわと燃えろ、ぶつ~煮えろ。

妖の二 (やはり、歌ふ調子で)
 沼の蛇の大切肉《おほきりみ》
 釜の中で、煮えろ~。
 蠑[虫|原;#1-91-60]《ゐもり》の目の玉、蟇《ひき》の指、
 蝙蝠《かうもり》の羽の毛、犬の舌、
 蝮《まむし》の刺《はり》と盲蛇の刺《はり》と、
 蜥蜴《とかげ》の脚と梟《ふくろ》の翼《はね》と、
 大わづらひの呪ひに、
 煮えろ~、ぶつ~煮えろ、
 地獄の雜炊煮るやうに。


★★★おまけ★★★



『蜘蛛巣城』は、シェイクスピアの『マクベス』を日本の戦国時代に置き換えた黒澤明監督作品


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