カエルの楽園


著:百田尚樹
発行:2016/2/26

安住の地を求めて旅に出たアマガエルのソクラテスとロベルトは、豊かで平和な国「ナパージュ」に辿り着く。
そこでは心優しいツチガエルたちが、奇妙な戒律を守って暮らしていた。
だがある日、平穏な国を揺るがす大事件が起こる――。

憲法九条の拡大解釈とあいまって、かなり話題になりました。
人間社会をひにくってカエルで画くことはこの百田尚樹が初めてではありません。

木下順二の『蛙昇天』
森荘巳知の『かえるの学校』
などがそうです。

とにもかくにも、自分の身を守ることの問題提起としては読みやすく。
けれど時代が下って、憲法九条との結びつきがなくなると、ただの寓話になってしまう危険性もはらんでいます。
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テーマ : カエル
ジャンル : ペット

あめだま 青蛙モノノケ語り


著:田辺青蛙

吸血鬼、鬼、河童、妖怪、虫、魚、仏像、死者、生者、夢、現、、、、、
奇妙な小世界60話。

この中でカエルの登場するのは、「雨月」と「姉妹」。
ことに「雨月」のようなカエルとの出会いをしてみたいです。

テーマ : カエル
ジャンル : ペット

猫の水につかるカエル


著:川崎 徹
発行:2009/10/27

タイトルにまでしたカエルだが、作中には一部しか出てこない。

プラスティックの弁当箱は、猫の飲み水用としてそこに置いてあった。
(略)
だが、いつの間にかカエル用になっていた。
どこから現れたのか、ある日大小二匹のカエルが水につかっていた。
背中は赤っぽい茶色で、図鑑にあたるとニホンアカガエルとあった。
小判形の弁当箱は二匹が入るとかなり窮屈そうだった。
交互につかればよいものを、いつも一緒に入っていた。
夫婦に違いなかった。
近づいても逃げる素振りはなく、かと言って挨拶するでもなく、無表情につかり、ゲゲッと鳴いた。


ヒキガエルならまだしも、アカガエルが入っていたというのは、考えられないし、逃げないというもの事実ではないかもしれないが、本来使用するべき相手ではないモノが使用している点が、著者の当時の心境の置き換えなのかもしれない。

このエッセイは2本立てで、どちらも猫を中心とした作品。
1本目の作品を本にして出したいために2本目が書き下ろされた、、、という感じの一冊である。

川崎は、以前にも『カエルの宿』(文芸春秋 1986.7)というエッセイを出している。


テーマ : カエル
ジャンル : ペット

阿房列車


著:内田百けん
絵:一條裕子(コミック版)

蛙が登場するのは「鹿児島阿房列車」。

隧道を出たと思ふと、線路の近くで蛙の鳴いてゐる声が聞こえて来た。
蛙の鳴く時候ではあるし、夜ではあり、さうだらうと思った。
放心した気持ちで、聞くともなしに聞いてゐたが、暫くすると、或はさうではないかも知れないと思ひ出した。


という蛙ネタの出だし部分を引用しましたが、この「蛙」は実はなんだったのか!!?
というのは、読んでお確かめくださいませ。

百けんの少しわがままで、小気味よい文章が、あっという間に読み終わらせてくれますよ。

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こわい話をしてあげる

img762.jpg
著:中井紀夫、黒崎緑、石塚京助、結城真子

4つのアンソロジーからなる一冊。
結城真子著の「優しい友人」にカエルのネタが少し登場するので、メモがてら。

「思うに、卵って言葉に過剰反応するんだね。
こういうこともあったよ。
子供の時分、カエルの卵をうちに持って帰ったことがある。
母は悲鳴をあげるなり、足で踏みつけてめちゃくちゃにしちゃった。
足で地面に磨りつけ、ひいひい言ってた。
半狂乱だったね」

「母は、何十匹ものカエルがこの世に生れる機会を奪った。
そんな権利は彼女にない。
あるはずない。
誰にもない」

「そりゃ、優しいこったな。
俺が子供ん頃は、カエルのケツにストロー突っ込んで、風船ごっこ、やったけどな」



カエルはカタカナで卵を漢字で並べて表現するのは、なんか違和感がある。
生物のカエルの場合、タマゴはやはりカタカナがいい。
まぁ、ここでは鶏の「卵(玉子)」の会話だから、同じ「卵」って表現にしたんだろうけどさ。

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小学校演劇脚本集〈8〉


「かえるのおへそ」所収
作:助川あや子
編集:日本演劇教育連盟

キタわー、仲間外れの構図。
だから小学校演劇って、道徳じみててキライだわー。
一幕一場だった構成を、一幕二場に改訂。
ぶっちゃけ、悪改。
小学生にやらせる目的だからって、このプロローグいらんわ、てか暗転がいらんわ。
あんたら脚本家より、よっぽどアニメとかゲームやり込んで、ストーリー慣れしてるって。
劇中で解消されるからって、いじめの構図をわざわざ持ってこんでもいいんだよ、大人ども!

何度も言いますが、カエルにヘソをつけたがる気が、わかりません!

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顔のない博物館


「根気のよい蛙」所収
著:フィリップ・K・ディック
訳:仁賀克雄

映画「ブレードランナー」の原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」で有名な、フィリップ・K・ディックの初期短編集「顔のない博物館」。
そこに所収されている「根気のよい蛙」(The Indefatigable Frog)を紹介します。

「ゼノンは世界で最初の偉大な科学者だった」
ハーディ教授は教室内をいかめしい顔で見回しながら述べた。
「その一例として、と井戸のパラドックスを取り上げてみよう。ゼノンが証明したように、は永久に井戸の縁には到達しない。ジャンプするごとに前のジャンプの半分の高さしか跳べないから、わずかであるが厳然たる差がいつも彼の跳躍には残るのである」
午後の物理学の3Aクラスは、ハーディ教授の謎めいた話に頭をひねり、静かだった。
その時、教室のうしろの方で、一本の手がゆっくりと上がった。
ハーディ教授は信じられぬ面持ちでその手を眺めた。
「ええと、何だね、ピットナー君?」
「論理学では、そのは井戸の縁に達すると教わっています。グロート教授によれば-」
は到達しない!」
「グロート教授はできるといわれています」
ハーディ教授は腕を組んだ。
「このクラスでは、は絶対に井戸の縁には達しないといっておく。私は自分でその証拠を調べた。はいつもわずかな差を保っていることに納得している。例えば、もしが跳び上がれば-」
終業のベルが鳴った。


この後、蛙は全編にわたって活躍しますので、後の展開は、ぜひとも本を手に取ってお楽しみください。

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ブンナよ、木からおりてこい


著:水上勉

「ブンナよ、木からおりてこい」は、昭和47年3月に書き下ろして、新潮社の「少年文庫 第8巻」に入れた「蛙よ、木からおりてこい」を書きあらためたものである。
初版の時は、低学年の子には難しいと思われる漢字が入っていて、読みずらかったと思えたので、全体に読みやすくするために、手も入れ、書きくわえもして、漢字をいくらか少なくした。


木の上に登ってしまった蛙が見た食物連鎖の結末とは!

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第三帝国の恐怖と貧困

ブレヒト戯曲選集 (第2巻)
「第三帝国の恐怖と貧困」所収
著:ベルトルト ブレヒト
1935~38年作

全24景からなる、オムニバス戯曲。
最初、オムニバスって知らなくて、情景が変わるたびに話がつながらないな~って思って、戸惑った。
第10景に些細なカエルネタが登場するのでメモがてら。

【第10計「スパイ」より抜粋】

妻:どこに復讐なんかする相手がいますの。
夫:いくらだってあるじゃないか。ひょっとすると、俺があいつの青蛙を取り上げたからかも知れん。
妻:だってあれはもう、一週間前じゃありませんか。
夫:あいつはなかなか執念深いからね。そういうことには。
妻:なぜあの子のものを取り上げたりなさるのよ。
夫:蠅をちっとも捕まえて来てやらんからさ、あれじゃ蛙の奴、ひぼしになってしまうよ。
妻:あの子だってずいぶん忙しいですからね。
夫:そりゃしかし、蛙には関係のないこった。
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買い物にでた、息子(少年)が実はスパイではないかと疑う夫婦の会話の一部。
我が子さえも信用ならない時代を、ブレヒトがブラックに演出している。

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秘密の秘密

アルスナル図書館(フランス)に所蔵されている写本2350番
『秘密の秘密』という本の第5章に「不可視」の秘密が画かれている。

つまり、透明人間になって、普段は入れないような場所に現れてみたり、立ち入ってみたりできる!という。
それは、以下の呪文を唱えさえすればよい。
唱え続けること。
ラテン語で唱えないと効果がない。

ということで「以下の呪文」などと書いたが、ここでは書きませんよ。

忘れては困りますが、ここはカエルネタしか画いてないブログですので、重要なのはこっからです。

いつくかの魔法書によると、コウモリ、黒メンドリ、カエルの心臓を右腕にかかえても、やはり非常にたやすく自分の姿を消すことができる!!!

まじかーーーーーーっ!

カエルの心臓を右腕に

カエルの心臓を右腕に

カエルの心臓を右腕に

カエルの心臓を右腕に

カエルの心臓を右腕にっ!!!

まぁ、中二病の方に安易にやられても困るので言っときますが、くれぐれも無益な殺生はしないようにお願いしますっ!!

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ヴァーチュオーソ

1776年、トーマス・シャドウェル(Thomas Shadwell)によって書かれた、喜劇「ヴァーチュオーソ」(The Votuoso)に蛙が登場しますので、その一部を紹介します。

「ヴァーチュオーソ」であるサー・ニコラスの研究室を訪れた二人の紳士に対して、サー・ニコラスの妻が新実験の様子を説明する場面。
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第 ニ 幕
第 一 場
(前略)
ジムラック夫人 それは確かに、サー・ニコラスは孤独な学者、素敵な人よ。でも私の性分から言ったら、もっと明るくて、楽しい、若い情熱が相応しいのね。年寄り臭い、不毛な沈思黙考は合わないの。
ロングウィル ええ、奥様には、若さがお似合いです。奥様御自身がお若いのだから。ところで、私どもはサー・ニコラス殿とお約束致したのですが、本当にお会い出来るものでしょうか。
ジムラック夫人 実を申しますと、家におりますのよ。ちょっと私事で。でもお二人のような立派な方に来て戴いて、お待たせすることはありませんわね。今、水泳を習っておりますの。
ロングウィル お宅にプールか何かおありなのですか?
ジムラック夫人 水の中で練習するのではありませんの。
ブルース 水の中ではない?すると、どこで?
ジムラック夫人 研究室です。広々としていて、実験器具などが置いてありますけれど。
ロングウィル 研究室で・・・水泳を?どうやるんでしょう。
ジムラック夫人 水泳の先生が来て教えるのですわ。
ブルース 水泳の・・・先生!それは前代未聞。(独白)これは変っている。よほどの変人だ。
ジムラック夫人 水槽にを一匹いれまして、その後ろ肢に荷造り用の紐を結えて泳がせるのです。で、主人のサー・ニコラスはテーブルの上に腹這いになりまして、その水槽を目の前に置きます。そうして、紐の一方の端を口に銜えてが水を蹴ると、その真似をして自分も後足で蹴ります。水泳の先生がそれを見て、今の蹴りはよかったとか悪かったとか、批評をするのですわ。
ロングウィル (独白)こんな馬鹿には、お目にかかったことがないぜ。
ブルース 奥様、ご主人ほど進歩的なヴァーチュオーソで、そこまでの境地に達する人は滅多にいません。いや、実に私が見聞きしたなかでも、一番興味深い発明です。
ジムラック夫人 まぁ、こんなものでしたら主人はいくつでも作ってますわ。主人はたぐいまれな実験科学者ですから。王立協会は、主人の採用を断って来たのですよ。才能が嫉ましいのですわ、きっと。
ロングウィル この水泳の新しい練習方法を見せて戴くわけにはまいりませんでしょうか。
ジムラック夫人 他ならぬお二方からの御依頼、喜んで。さあ、どうぞこちらへ。
(三人退場)

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